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食道の病気(食道裂孔ヘルニア、逆流性食道炎、バレット食道)

食道裂孔ヘルニア

腹腔内にある胃の一部が横隔膜を超えて胸腔内に突出した病態です。

肥満や加齢が原因だろうと言われています。

滑脱型・傍食道型・混合型の3型に分類され、滑脱型が大部分を占めています。

げっぷが増えるのが症状の一つですが、後述する逆流性食道炎の原因になると言われています。

診断は上部消化管内視鏡検査の他に胃X線検査、CT検査で行われます。

治療は生活習慣の改善や合併する逆流性食道炎の薬物治療が中心になりますが、新しい試みとして一部の医療機関で内視鏡による治療も開発されつつあります。

逆流性食道炎

胃酸が食道へ逆流することで食道が炎症を起こし、胸焼け・胸痛・つかえ感などの症状が出現する病態です。前述の食道裂孔ヘルニアが基礎疾患にあると発生しやすくなります。

慢性咳嗽や咽喉の違和感の原因となることもあります。

食道裂孔ヘルニアや生活習慣によるものの他にヘリコバクターピロリ菌の除菌療法後に生じるものもあります。

診断には上部消化管内視鏡検査が必須となります。

内視鏡検査の前にタケキャブ、ネキシウム、パリエット、タケプロン、オメプラールなどの薬を処方してしまう先生がいますが、不用意な投薬により内視鏡検査時には逆流性食道炎の有無がわからなくなったり、重症度の評価ができなくなってしまうのでご遠慮ください。


バレット食道

本来は扁平上皮であるはずの食道粘膜が、胃から連続した円柱上皮に置換された状態です。


SSBE(長さ3cm未満の短いタイプ)とLSBE(長さ3cm以上の長いタイプ)の2種類に分けられます。

逆流性食道炎が原因の一つだと言われています。

欧米のデータではバレット食道(とくにLSBE)がある人は健常者に比べ食道癌の発生頻度が30-125倍ほど高いと言われています。過去25年間でバレット食道から食道癌になった人は6倍以上に増加しているそうです。

人種の差異や食生活の差異もあるため、欧米人のデータが日本人にも当てはまるかどうかわかりませんが、日本でも逆流性食道炎やバレット食道の患者さんが急速に増加しているため注意が必要です。

 

 

 

 

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