日本実地医科消化器内視鏡研究会
昨日は日本実地医科消化器内視鏡研究会に参加してきました。
食道癌の90%は飲酒が原因。連日1.5合以上の飲酒をしている人、MCV(平均赤血球容積)106以上の人は食道癌のハイリスクグループ。多発ヨード不染帯が見られた段階で禁酒すると食道癌の予防効果があるとの事です。
若年者(萎縮性胃炎が完成する前)のピロリ菌除菌は胃癌発生リスクを軽減するため有益であるのは間違いない。しかしながら萎縮性胃炎が完成した高齢者のピロリ菌除菌は胃癌予防効果も低く、GERD発生を増やすのであまり意味がないかもしれない。ピロリ菌除菌により胃癌の発見が困難になるため、早期胃癌を発見した際、内視鏡治療前に除菌するのはNG。除菌をしたあとも定期的な内視鏡が必要なら、むしろ除菌をせずに発見が容易な胃癌を見つけた方が良いのかもしれない。またピロリ菌がいた方がバレット食道癌、喘息などのアレルギー疾患、IBDが少なくなるとの事です。
リンチ症候群は以前HNPCC(遺伝性非ポリポーシス性大腸癌)と呼ばれていた病態。ミスマッチ修復遺伝子の異常により、大腸癌・子宮体癌など様々な癌になりやすい。(常染色体優性遺伝) 日本人にも25万人いる言われている。(ザラにいる) 50歳以下で発症した大腸癌や子宮体癌の家族歴がある人は積極的に検査をする必要があるとの事です。